杉生・西畑地区やその鎮守社・八阪神社(杉生)で行われる秋祭りです。「天下泰平、五穀豊穣、家内安全、氏子中がそろうて、悪魔払いのお宮入りに…」という口上ではじまり、練り子とよばれる30人あまりの子どもたちが白塗りの化粧に芝居装束を身に着け、笛・太鼓にあわせて歌舞伎のまねをしながら地区内と神社を練り歩きます。
この練り込みは、江戸時代初期、雨乞いや虫除け祈願によって収穫できたお礼に氏子らが華麗な仮装をして囃子にあわせて踊った風流の一種である『百石踊』が元となっています。かつては猪名川町北部各地で行われていました。
『百石踊』は三田市駒宇佐八幡宮の秋祭りで行われているもので、一度願掛けをすると氏子総出で神社にこもり、満願の日まで終日踊りつづけ米百石にあたる多額の費用(約200万円か)を要したので、このようによばれてきました。
当初練り込みは若者が演じていたようですが、明治以降に子どもが演じるようになったようで、数十年前までは町北部各地域で行われていましたが、猪名川町全域はもとより北部地域でも大島地区でしか観ることができません。
練り込みは町指定無形民俗文化財に登録されており、県からは「ともしび賞」が授賞されている、大変貴重な伝統行事です。
衣装やカツラは近年新調され、京都の太秦にある東映の着付け師・化粧師・結髪師たちが子ども達を歌舞伎役者に仕立てていきます。(文責 末松早苗)
練習風景です。